体の内側からの紫外線対策—「抗酸化の仕組み」を働かせる

日焼け止め、塗っていますか?
塗るのを習慣にしている人も、多いと思います。
僕は、3年ぐらい前から塗り始めました。
無印良品のお手頃なものに、お世話になっています。
正直、日焼け止めを塗るだけでも、僕にとってはなかなかのハードルがあります。
お化粧もする人は、その上にもうひと手間かかって、大変だなあと思います。
さて。
紫外線がぐっと強くなる、5月から8月。
紫外線はお肌の大敵!
シミ・しわ・たるみ——いわゆる光老化が気になる季節になってきました。
日焼け止めを塗ることは、紫外線対策としてとても有効です。
肌の表面で、紫外線の侵入をしっかりブロックしてくれます。
これは「外側からの対策」。
ただ、紫外線対策には、もう一つの方向があります。
それが「内側から」。
今日は、この内側の話をしたいと思います。
体には、もともと「抗酸化の仕組み」が備わっている
実は私たちの体には、紫外線によるダメージに内側から立ち向かう仕組みが、もともと備わっています。
紫外線を浴びると、肌の中で「活性酸素」というものが生まれます。
これは、細胞をサビさせ、老化させる、やっかいなもの。
シミやしわにも、つながっていきます。
でも、体はやられっぱなしではありません。
この活性酸素を消すための「抗酸化酵素」という働き手を、ちゃんと持っています。
代表的なのは、この3つです。
- SOD … 活性酸素(スーパーオキシド)を、真っ先に処理して、次の酵素に渡す
- グルタチオンペルオキシダーゼ … 脂質(細胞膜)の酸化を抑える
- カタラーゼ … 過酸化水素という活性酸素を、水と酸素に分解する
名前は覚えなくて大丈夫。
大事なのは、「体の中に、紫外線とたたかう“消火隊”がいる」ということ。
この消火隊がしっかり働けば、紫外線によるダメージに、内側から備えることができます。

では、その消火隊を働かせるには?
ここからが、栄養の出番です。
この抗酸化の消火隊を、しっかり働かせるために必要なもの…
それは、大きく2つあります。
土台① まずは、タンパク質
いちばんの大前提は、なんといってもタンパク質です。
なぜなら、さっきの抗酸化酵素(SODなど)は、すべてタンパク質でできているからです。
材料であるタンパク質が足りないと、抗酸化酵素をつくる土台が弱くなってしまいます。
さらに、体の中でもっとも豊富な抗酸化物質「グルタチオン」も、アミノ酸(タンパク質のもと)から作られます。
つまり、タンパク質が足りないと——
抗酸化の土台そのものが、ぐらついてしまう。
だから、抗酸化をしたかったら、まずはタンパク質を満たすこと、が大事。
肉、魚、卵や大豆製品など。
毎食、タンパク質を意識して食べましょう。
これが、紫外線対策のいちばんの土台になります。
土台② そして、抗酸化のミネラル
タンパク質で消火隊(抗酸化酵素)が作れたら…
次は、それを動かす「スイッチ」が必要です。
そのスイッチが、ミネラルです。
抗酸化酵素の働きには、いくつかの微量ミネラルが関わっています。
その中でも、食事で意識しやすい2つを取り上げます。
- セレン … 「グルタチオンペルオキシダーゼ」が働くのに必要。脂質(細胞膜)の酸化を抑えます。
→ かつお、いわし、さんまなどの魚や、卵に多く含まれます。 - 亜鉛 … 抗酸化酵素(Cu/Zn-SOD)の材料になり、さらに肌の修復や免疫にも関わる、皮膚にとって超重要ミネラル。
→ 牡蠣が断トツ。赤身の肉、レバー、卵にも含まれます。

セレンと亜鉛。
紫外線の季節は、この2つを、食事から少し意識してみてください。
(サプリで一気に増やすより、まずは食品から。とくにセレンは、摂りすぎも体に負担になります。)
鉄は、抗酸化の「諸刃の剣」
鉄も抗酸化に関わるミネラルです。
鉄は、抗酸化酵素の一つ「カタラーゼ」で働きます。
じゃあ鉄も抗酸化ミネラルか、というと——話はそう単純ではありません。
鉄は、カタラーゼの中では、ちゃんと活性酸素を消してくれる味方です。
ところが、野放しのフリーな鉄は…
逆に、とても反応性の高い活性酸素を生んでしまう側面もあります。
つまり鉄は、抗酸化に使われるが、反面、活性酸素を生みかねない…
と、味方にも、敵にもなります。
だから、鉄は「とにかくたくさん」ではなく、「不足しないように適量を」。
これが大事。
生理のある女性は不足しがち。
男性や閉経後の女性は足りていることが多い。
一人ひとり、鉄の過不足はちがうので、それぞれで判断が必要なミネラル。
気になるときは、血液検査(フェリチンなど)で自分の状態を確かめるのが確実です。
鉄はバランスが大事です。
まとめ
紫外線対策は、外側だけではありません。
体の中の「抗酸化の消火隊」を働かせれば、内側からも備えられます。
その土台は——
① タンパク質(消火隊そのものの材料)
② 抗酸化ミネラル(セレン・亜鉛)
まずは、ここから始めてみてください。
ただし、内側のケアは、日焼け止めの代わりにはなりません。
紫外線そのものを防ぐのは、やっぱり日焼け止めや帽子、日陰。
内側のケアは、その上で効いてくる「備え」です。
日焼け止めという外側の守りに、内側の守りを、もう一枚。
そして次回は——
この土台の上で、「外から足せる援軍」の話をします。
ビタミンC、ビタミンE、そしてβカロテンやリコピン。
よく聞く「紫外線にいい栄養」たちは、この土台があってこそ、力を発揮します。
その話は、後編で書きますね。