そのだるさ、かくれ甲状腺機能低下かもしれません(前編)

朝起きても、なんだかだるい。
昼間も眠くて仕方ない。
気づいたら、太りやすくなった気がする。
こんな感じ、ありませんか?
僕も由希子(妻)も、3年ほど前、まさにこんな状態でした。
血液検査をしても「異常なし」。
でも、あきらかに前より元気が出ない…
実はこれ、「かくれ甲状腺機能低下」だったかもしれません。
今日は、この「かくれ甲状腺機能低下」について、お話ししたいと思います。
※「かくれ甲状腺機能低下」は正式な病名ではありません。血液検査では「異常なし」と出やすいけれど、実は甲状腺の働きが少し鈍っている状態を、わかりやすくこう呼んでいます。
こんな症状、心当たりありませんか
まずは、症状から見てみましょう。
- 疲れやすい、だるさが抜けない
- 眠くてしかたない
- 寒がりになった
- 体重が増えやすくなった
- 抜け毛が気になる(眉毛の外側1/3が薄くなるのも、実はサインの一つです)
- 便秘がち
- 肌が乾燥してかさつく
- むくみやすい
- 生理の量が多い、など生理のリズムが乱れる
思い当たる項目、いくつありましたか?
実はこれ、更年期の症状ともよく似ています。
「歳のせいかな」「更年期かな」と思って、見過ごされていることも、少なくないんです。
ただし、これらの症状は甲状腺だけで起こるものではありません。
貧血や睡眠不足など、ほかの原因でも起こります。
症状だけで「甲状腺のせいだ」と決めつけず、気になる場合は血液検査で確認していくのがおすすめです。
甲状腺って、そもそも何をしているの?
甲状腺は、喉の前側、真ん中よりちょっと下あたりにある、20gほどの小さな臓器です。
小さいけれど、働きはとても大きい。
甲状腺は、「甲状腺ホルモン」というホルモンを出しています。
このホルモンは血液に乗って全身の細胞に届き、いわば体の「代謝のアクセル」のような役割を果たしています。
具体的には——
- エネルギーを作る(体温を作る)
- エネルギーを使う
- 細胞を新しく作りかえる
- 心拍や体温の調整に関わる
- (子どもや胎児では)体や骨の成長を進める
こういった働きに、甲状腺ホルモンが関わっています。
だから、甲状腺ホルモンが少し足りないだけで——
体全体が、なんとなく「省エネモード」に入ってしまう。
それが、さっきの疲れやすさやだるさ、寒がりといった症状につながっていくんです。
なのに、なぜ「かくれ」たままになるのか
ここが今日いちばん伝えたいところです。
甲状腺の状態は、血液検査でわかります。
主に見るのは、この3つの数値です。
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)…脳(脳下垂体)から出ていて、甲状腺に「もっとホルモンを作って」と指令を送る役割
- FT4…甲状腺から主に分泌されるホルモン
- FT3…FT4が体の中で変換されて働く、活性の強いホルモン。実際に細胞に働きかけているのは、こちらです

一般的な健康診断の「正常範囲」は、実はかなり広く設定されています。
たとえばTSHだと、だいたい0.6〜4.3くらい。
でも、分子栄養学の視点で見る「代謝がスムーズに回りやすい範囲」は、もう少し狭くて、1〜2くらい。
FT3も、一般的な範囲は2.5〜4.1、分子栄養学的には3〜4あたりが目安とされています。
(※この数値はあくまで一つの目安です。施設や検査法、年齢や体の状態によっても変わりますし、「これより外れたら異常」という絶対的な基準ではありません。)
つまり、一般的な基準では「正常範囲内」に入っていても——
体の実感とズレている、ということが、けっこうあるんです。
甲状腺ホルモンは全身に影響するホルモンなので、少し足りないだけでも、いろいろな不調につながります。
なのに検査では「異常なし」。
これが、「かくれ甲状腺機能低下」が見過ごされやすい理由です。
実は、3年前の僕たち夫婦も、これでした。
僕はTSHが低めで、ゆきこはFT3が低め。
どちらも「異常」とまでは言われない、ギリギリのラインだったんです。
タイプはちがいますが、どちらも「体からの指令や働きが、ちょっと弱め」という状態。
(僕のように脳からの指令=TSHそのものが弱まるタイプには、実は「ストレス」が関わっています。この話は、後編でくわしくお話しします。)
まずは、数値を知ることから
体調に心当たりがある人は、一度、血液検査でTSH・FT4・FT3の数値を確認してみるのも、一つの方法です。
基礎体温の低さも、参考になることがあります(測り方や周期でも変わるので、あくまで一つの手がかりとして)。
「異常なし」と言われても、それで終わりにせず——
数値そのものを見てみる、体調の経過とあわせて考えてみる。
それが、かくれ甲状腺機能低下に気づく、最初の一歩になるかもしれません。
気になる症状が続く場合は、自己判断だけで済ませず、医療機関に相談しながら数値を確認していくと安心です。
次回は、この「かくれ甲状腺機能低下」が、そもそもなぜ起きるのか。
その原因と、整え方についてお話ししたいと思います。